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Ouji's Blog

が、ぱあっと明る

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が、ぱあっと明る

が、ぱあっと明るくなる。

 すでに夕陽は山の向こうに沈み、闇がひたひたと迫りつつある。

 

 いまから総出で、双子の采配のもと夕餉の支度である。それと、風呂もわかす。

 

「悩まれておいででしたが、結局、どちらともお答えになられませんでした」

 

 俊冬の声は、同步放化療 ほんのちょっぴり残念そうな響きがある。

 

 当人にジャッジしてもらうのが、一番よかっただろうに・・・。

 

「京ではさほど会話をいたしませんでしたが、それでもいい気がいたしませんでした。軍略と戦略にたけているかもしれませぬが、その人となりは相当にまずいものでございます。敵は無論のこと、自軍や同盟軍をも蔑ろにされておいでです。兵を駒にしか考えておらず、それどころかに関心がなさすぎまする。あれでは、戦には勝てても、長生きできますまい」

 

 俊冬の声は低く、不吉なものを感じさせる。

 

「そのとおりです。大村は、この戦のなかで薩摩藩士と衝突したり、周囲に不快感を与えまくります。そして来年、かれは暗殺されます。実行犯は長州藩士ですが、黒幕はべつにいるといわれています」

 

 告げると、局長も副長も斎藤も「さもありなん」、というになる。

 

「われらが間者にもたせた飴細工の意味を理解し、怯えてもおられました」

 

 俊冬は、声をあかるくしてつづける。

 

 狼と龍が、宝玉を護っている飴細工。大村はそれらをみ、どう解釈したのであろう。

 

「では、夕餉の支度をたくをいたしまする」

 

 俊冬がいい、双子は同時に一礼してから厨のほうへと去っていった。 翌日、さっそくスペンサー銃の試射がおこなわれた。

 

「これって、大村が横浜で入手したばかりの銃ですよ、きっと。スナイドル銃の四倍の価格だったかと記憶しています。いいんですか、そんな高価なものを・・・。三十丁もあるじゃないですか。それに、もこんなに。これ、貴重なんですよ」

 

 準備をしつつ、双子にいってみる。

 

「「でこちんの助」の懐からでているわけではない」

「はい?たま、そんな問題ですか?たしかに、総督府の名義で発注したかと思いますけど・・・。こっちの板垣さんの銃といい、誠に快く譲ってくれてるんですか?」

 

 いやいや。そもそも、こういう会話じたいおかしくないか?敵の主要人物を訪れるなんていったら、使者か暗殺者くらいだろう。それを、フツーにいって、フツーに会話して、フツーに暇乞いするなんて。しかも、貴重な銃をフツーに手土産としていただくなんて。

 

 すべてがフツーじゃない。

 

「『あの素晴らしい飴細工に感動した。ぜひとも、もってかえってほしい』と、申された。そこまで申されて断れるか?かような不作法は許されぬであろう?」

 

 まったくもう・・・。ああいえばこういうし、こーいえばああいうし・・・。

 

「主計、わたしの言を疑っておるのか?いままで、一度も嘘をついたことのないわたしを、嘘つき呼ばわりするというのか?」

「すでにそこで、嘘でしょう?」

「そろいましたな?」

 

 俊冬ーーーっ!おれをスルーし、集まってきた仲間たちに声をかけてるし。

 

「では主計、頼む」

 

 俊冬はこちらに体ごと向け、スペンサー銃を振ってみせる。

 

「え?一番に撃たせてもらっていいんですか?」

 

 わお。一番に撃たせてもらえるなんて。

 

「なにを申しておる。おぬしは、これをもってあそこの木のところに立つのだ」

 

 やっぱりな。ちぇっ、て思いつつ、さしだされる俊冬の掌をみおろす。おれの左脚のすぐうしろから、相棒もみあげている。

 

「ちょっ、これ、なんですか?」

 

 俊冬の掌にあるものは・・・。 

 

「いかがいたした?みたままであるぞ」

「みたままって・・・」

 

 そこには、なんにものっていないのである。

 

 

「まさか、エア標的?」

「なにを申しておる?さあ、受け取れ」

「ちょっ・・・。みえてないんですよ。エア標的でもって、おれを撃つ気じゃないでしょうね?スペンサー銃の威力をご存知ないんですか?」

 

 これまでの銃とはちがう。のつくり、発射の構造、すべてが。ゆえに、精度、距離、破壊力もだんちである。

 

「・・・。かようにすごいのか?」

 

 不自然な間ののち、俊冬はおおげさに驚いたのつくり、発射の構造、すべてが。ゆえに、精度、距離、破壊力もだんちである。

 

「・・・。かようにすごいのか?」

 

 不自然な間ののち、俊冬はおおげさに驚いた「主計。誠に、なごませてくれるな」

 

 局長が、しみじみ感満載でほめてくれたっぽい。

 

「たま、準備いたしましたぞ」

 

 俊春が、こぶりの荷車をひっぱってきた。

 

「本来ならば、銃の威力は

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